(3)どのような資料・論文が存在するかが把握できたら …論文・資料等の入手

・資料名および書誌情報をもとに、実際に資料を入手してみましょう。

・資料の入手には、大きく購入・貸借・複写の三種類があります。資料の質とフトコロの具合に相談して、適切な方法を模索しましょう。

・複写する際には、「奥付(おくづけ)」を複写することを絶対に忘れないようにしましょう。記憶やメモは間違えます。データベース等に記載されている情報も間違っていることは珍しくありません。


⑥論文や文献がどこにあるのかを探す

・文献リストができたら、次にそれらを入手しなければいけない。このときの作業チャートは順番に次のようなかんじ。

  (ⅰ)商学部図書館にないか探してみる

  (ⅱ)日本大学の他学部図書館にないか探してみる

  (ⅲ)古本などを安く買えないか探してみる

  (ⅳ)近所の図書館にないか探してみる

  (ⅴ)他の研究機関の付属図書館/県立図書館等にないか探してみる 

・Ciniiなどで論文タイトルがわかったら、その論文が載っている本の名前(雑誌ならば名前+刊行年月)をチェックしておき、その資料がどこの図書館にあるか、今度はそっち用の検索エンジンで探す必要がある。このとき活躍するのがCinii Books。その本や雑誌自体の情報もわかるし、どの本をどこの図書館が持っているのかもわかる(雑誌なら、何巻をもっているのかなどもわかる)。ただし、Cinii Booksのデータは大学図書館のデータしかひっかからない。

・全国の都道府県立図書館等のデータは国立国会図書館サーチで検索できる。しかもこちらは、Cinii Booksのデータもいっしょに検索できる(検索画面で「すべての連携先を検索する」にチェックを入れる)。

・近所の図書館もあなどれない。自宅最寄りの図書館のほか、商学部のある世田谷区立図書館や、近隣自治体の図書館も使える。借りれなくても、見るだけなら公立図書館ならばだいたいオーケー。このとき活躍するのがカーリルローカル。 

・困ったときには国会図書館へ。戦後の本ならばだいたい揃っているし、館内限定のデジタル化資料も多い。

・都立図書館も穴場。国会図書館にない本がある例もあるし、国会図書館ほどはこんでいない。

⑦実際に論文や本を手に入れる

・まず商学部OPAC。検索して、あったら十進法分類番号をチェックして、該当する書棚に行って手に入れる。おわり。

・実はこの商学部OPACで、Cinii Articlesも、Cinii Booksも、JAIROも、国立国会図書館サーチも直接検索できる。だからといってこれだけで済むわけじゃないけど、とりあえずはできる。

・商学部にないなら、日大他学部に頼る(商学部版EDS)。他学部で持っている資料は、図書なら取り寄せ(「相互貸借)、雑誌の記事などは複写取り寄せ(「文献複写」)ができる。しかもタダでできる。取り寄せ期間も、他大学から取り寄せるよりも早い。日大他学部になければ、やはり「相互貸借」「文献複写」が可能。こちらはタダじゃないけど、直接行く電車賃よりは安いかも。大学以外の公立図書館等からの「相互貸借」は近所の公立図書館でできる。

→とりあえず図書館の「レファレンスカウンター」で司書さんに相談

・図書などの場合、コピー代よりも買ってしまった方が安い場合もある。古本サイトとしては日本の古本屋が著名。Amazonは新刊も古本も買えるが、新刊本は実はヨドバシドットコムでも送料無料・ポイント3%で買え、自宅まで素早く届く。古本などは横断検索で複数のサイトの価格比較も可能だし、オークションサイトなども探して、安いものを買う。 

⑧新聞記事や週刊誌などを探してみる

・生のデータやかつての「世論」などを調べたいときには、論文・図書(2次資料)では不十分。新聞記事などを探さなければならない。

・三大全国紙や日経の新しいものについてはオンラインデータベースで直接紙面まで検索できる(最近ね)。地方新聞なども独自のデータベースをもっていることが多く、それらは有料で検索・閲覧が可能。

・新聞記事の古いもの、地方版、珍しい新聞などは、縮刷版などを探すためには、紙媒体の目録や実物をめくる必要がある。ちなみに国会図書館の新聞資料室はかなりまとまって持っている。

・週刊誌を探したいときは八幡山にある民間の保存収集機関「大宅壮一文庫」を調べてみよう。紙媒体の『大宅壮一文庫雑誌記事索引』(図書館1Fにアリ)で下調べしてから行こう。コピー代が収入源なのでそこそこ高いけれど、国会図書館にもない資料がザクザクと。八幡山の駅から向かう途中にアイドル系雑誌の専門店なんかもあったりする。 

 ・古い雑誌などは、駒場の「日本近代文学館」や立川の「国文学研究資料館」に収蔵されている場合もある。